今回は、赤十字救急法救急員の資格取得についてです。
【取得のきっかけ】
去年の大阪府北部地震の後、勤務先で災害時の対応マニュアルの作成を指示されました。そこで、いろいろと調べているうちに、「防災士」という資格の存在を知ることになります。
民間資格なので、そこまで強い興味は持たなかったんですが、一応資格マニアとして、また仕事でも役立ちそうな知識なので受験要綱を確認してみたところ・・・
高い!講座を受講しないといけないんですが、トータルで6万くらいかかります。
いろいろな実績もある団体なので、よくあるしょうもない資格商法と一緒にする気はありませんが、それでもなかな値がはります。
消防関係や警察関係の方に対する特例がいろいろとあるんですが、そんななか、「日赤特例」というのがありました。
これは、日本赤十字社の「赤十字救急法救急員講習」の認定証を取得したら、講習時間が短くなって、さらに取得費用も総額3万円ほどに収まるという制度です。
赤十字の講習も3200円かかりますが、3万円安くなることを考えたら安いもんです。ただ、時間は赤十字が3日かかりますが、短縮される防災士講習は1日だけです。時間という点ではあまりお得ではありません。
また、私は前の仕事で、消防署の実施する普通救命講習を受講して証明書も持っていたんですが、転職してから更新しなくなってしまって、有効期限が切れてしまっていたんです。
防災士を取得するかはいったん置いておいて、久しぶりにAEDの使い方などの復習のためにも受講しよう!と思ったことがきっかけとなります。
【講習日程について】
事前に当日のプログラムを確認することができます。
1日目のみ、開始時間が少し遅いですが、三日間みっちりです。
私が12月に受講した時は3週連続で土曜日に実施されていましたが、大阪ではこの日程は珍しいそうです。基本的には「連続した土日と前週か翌週の土曜か日曜のどちらか」や、「3連休を利用して三日連続」が多いみたいです。
受講してみての感想ですが、この「3週連続」は自学自習に取り組める方以外はやめておいたほうがいいと思います。というのも、毎回1週間ずつあくので、忘れます。
三角巾の巻き方をひたすら講習では練習しますが、なにもせず一週間たつと忘れてしまい、試験の時に苦労します。
しんどいですけど、可能な限り連続した日程の方が、記憶が新しいうちにすべてが終わってしまって楽だと思います。
(今日、最新の受講要綱を見てみたんですが、地震の部分がなくなっています。期間限定だったのかもしれません)
【使用教材】
事前配布されるものはありません。
初日に受付で以下のテキスト3冊と三角巾の入ったポーチと名札が渡されます。
テキストは
①大阪府民のための巨大地震への備え
②救急法基礎講習
③救急法講習
の三冊です。
①については2日目以降はつかいません。
②は1日目に使いますが、たまに参照するので2日目以降も持って行ったほうがいいかと思います。
③については初日は使いません。2日目以降のみです。
また①は間違いなく大阪限定だと思うので、他県の方はそれぞれの地域のテキストがあるかと思います。
ポーチはなかなかしっかりとした作りです。
中身は三角巾2枚と、ガーゼ2枚、キューマスク2個(人工呼吸につかう)です。
初日に使うものはキューマスクのみです。
指導員からも指示されますが、三角巾は2日目までによく洗いましょう。
別に汚いわけではなく、洗濯糊で硬くなっているので、それを落として柔らかくする必要があります。
新品のままでは固すぎて使いにくいことこの上ないです。
2日目までは1週間あったので、家で通常の洗濯をするたびに一緒に洗いましたが、それでも硬かったです。
私は体が大きく、ペアを組んだ方も筋肉質でガタイのいい方だったので、通常の三角巾では複雑な結び方をすると一周するのが難しかったので、指導員から大きいものを借りました。それはかなり使い古していたものだったんですが、すごく使いやすかったです。
実技試験の出来にも影響するので、とにかくやわらくなるように1週間でダメージを与えまくってください。連続した日程で受講する場合でもとりあえず一回は必ず洗濯してください。
【基礎講習】
今回の講習は3日間という形ですが、内訳としては基礎講習1日+救急員養成講習2日です。
あまり頻繁には実施されていませんが、基礎講習1日のみで終わる日程もあります。(基礎講習のみでは防災士の特例対象にはなりません)
また、基礎講習を終えている方は、別の日程でも2日目から参加することができます。
実際に私が参加したときも、2日目からは人数が結構増えていました。
初日の午前中は地震のテキストを使っての講義でした。
講師はボランティアの指導員の方なんですが、USJの警備のお仕事をされている方でした。実際にあんな大きなテーマパークで防災関連のお仕事をされている方のお話でしたので、参考になることが多かったです。テキストも身近なことなのでわかりやすくまとまっていたので、良い講習でした。
お昼休みを挟んで午後には基礎講習が始まります。まずは学科講習ですが、かなりの駆け足でテキストの重要ポイントを説明されます。
ここで言われた重要ポイントは、基礎講習だけではなく、3日目の試験でも必要になるところもありますので、しっかりと覚えておきましょう。
学科講習が終わると机を片付けて実技講習です。
2人ペアを作って止血の練習などをします。本当に脈を止めます。
肩の付け根などの血管を押さえて、手の部分で脈がちゃんと止まっているか確認します。
その後はグループを少し組み替えて3人一組になって人形を使ってAEDや人工呼吸の練習をします。
最初のペアについては相手の体に触れることが多いので、夫婦での参加者を除いて基本的に同性同士でペアを組まされますが、3人組については人形相手なので異性と同グループになることもあります。
私も3人組の方は女性も入るグループでした。女性の方はおそらく大学生くらいだと思うんですが、胸骨圧迫(心臓マッサージ)では体力がなくてかなり苦労していたように思います。意外に長時間することになります。
【実技試験】
一通り練習が終わると、その3人組のまま実技試験です。ここまでの練習でもそうでしたが、1グループに一人ずつ指導員がついています。ですので、かなり細かいところまでチェックされています。
といっても、基礎講習の試験についてはそこまで不安になる必要もありません。
試験官にもよると思いますが、次の動作に戸惑っていると多少助け舟は出してくれます。
また、各グループ一斉に試験をするので、周りの動きも見ることができますし、声も聞こえてきます。
確証はありませんが、おそらく実技試験については全員合格していたんじゃないかと思います。
【学科試験】
実技試験が終わると、またみんなで机を出して学科試験です。
この学科試験はかなり簡単です。その日の話を聞いていなくとも、常識で判断しても十分合格点に達することができると思います。
しかも、適当なことに、この試験は終わったら相互採点です。
ペアと示し合わせていれば不正も可能なくらいです。
当然そんなことはしていませんが、私もペアの人も満点でした。
周りの様子を見ているとおそらくほとんどの人が満点だったんではないでしょうか。
解答用紙が回収されると、すぐに確認をされます。その間指導員の方が話をして時間をつないでいましたが、全員合格していることが確認されると、それが発表されて初日のプログラムは終了です。
指導員の方のいいぶりでは、落ちた場合でも再試験はできそうな雰囲気でした。
本来、基礎講習ののみだとここで受講証をもらって終わりですが、今回は救急員養成講習がセットなので、受講証もおあずけです。
初日だけでながくなってしまいましたので、2日目以降はまた別の記事にしたいと思います。