今日は「国家資格キャリアコンサルタント」の養成講座についてです。
早速話がそれますが、この資格はわざわざ「国家資格」とつけられているんです。
知名度が低いからアピールしているんじゃないかと勘繰ってしまいます。
受験資格について
さて、この資格には受験資格が必要です。
資格マニアとして独学での受験に挑戦すると言っておいて養成講座に通っているのはこれが原因です。
受験資格を得るためには以下の4つのどれかに該当する必要があります。
①厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方
②労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方
③技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方
④平成28年3月までに実施されていたキャリア・コンサルタント能力評価試験の受験資格である養成講座を修了した方(平成28年4月から5年間有効)
下から順番に見ていきたいと思います。
まず、④は民間資格だったころに講座を受けた人に対する移行措置なので、今から資格取得を目指す人はあてはまりません。
③は、技能検定に科目合格すればいいだけなので、一見楽そうですが、まず技能検定の受験資格を得るのが面倒です。大学での学習歴・検定試験の合格・講習の修了などの要件に当てはまっていない人は実務経験が5年必要です。5年やってれば、その時点でキャリアコンサルタント試験の受験資格を余裕でクリアしているので、あまり現実的な選択肢ではありません。
②は実務経験ですね。すでに実務経験がある人以外は、今から3年かかります。時は金なりということで、他の要件でさっさと受験資格を得て仕事にしたほうがいいでしょう。
ということで、多くの人は①の条件を満たすことで受験することになると思います。
そこで必要になってくるのが養成講座です。
養成講座について
この養成講習なんですが、平成30年6月現在で19の講座が指定されています。
このどれかを受けて修了しなければいけません。
全講座はこちらのリンクでご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000345098.pdf
(厚生労働省のオフィシャル情報ですが、ご覧になった時期によっては最新情報ではない可能性もあります。念のためご自身で公式情報をご確認ください。)
19もある!選び放題だ!と思ったんですが、大阪で受けることを考えると、実はそうでもありませんでした。
東京の資格マニアに対抗しているところはあるので(笑)、大阪情報に特化して書いていきます。
東京だけでしかやっていない、ならまだわかるんですが、名古屋だけでの開催とか、わりと全国展開しているのに大阪ではやっていない、などの大阪にやさしくない状況だったんです。
ということで、先ほどの厚労省のリストの番号に従って大阪で受けられるものを抜粋すると・・・
②GCDFーJapanキャリアカウンセラートレーニングプログラム
(特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会 )
⑥一般社団法人日本産業カウンセラー協会キャリアコンサルタント養成講習
(一般社団法人日本産業カウンセラー協会 )
⑧⑨キャリアコンサルタント養成講座/ライブ通信講座
(株式会社リカレント)
⑩キャリアコンサルタント養成講座(総合)
(株式会社日本マンパワー)
⑬公益財団法人関西カウンセリングセンターキャリアコンサルタント養成講習
(公益財団法人関西カウンセリングセンター)
⑭公益財団法人関西生産性本部キャリアコンサルタント養成講座
(公益財団法人関西生産性本部)
⑯LEC東京リーガルマインドキャリアコンサルタント養成講座
(株式会社東京リーガルマインド)
⑰キャリアコンサルタント養成講座
(ヒューマンアカデミー株式会社)
ということで、8個となり、半分以下しか大阪で受けることができないんです。
(⑧⑨のリカレントについては、pdfでは大阪がないですが実際はあります。)
たかだが8個ということで、全部資料請求してみました。
資料請求してみた感想なんですが、やはり大手はしつこく勧誘してきます。
資料請求したのが9月~10月頃だったんですが、いまだに郵送物を送ってくるところもあります。
それでは資料請求したものを見たり、ネットで調べて思ったことをまとめておきたいと思います。
なお、この中の一つに今まさに通っているわけですが、どこに通っているかは表に出したくないので、わからないように書いています。
また、実際に今通っているところ以外には説明会に行っていないので、全て資料とネットから得た情報のみで感想を書いています。
どこまで参考にするかは各自の責任で判断してください。
各講座の特徴
講座名にリンクを貼ってますので、気になったものは公式情報をご確認ください。
(なぜかリンクの青色にかわらないので…)
②GCDFーJapanキャリアカウンセラートレーニングプログラム
(特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会 )
378,000 円
テキスト代などの別途費用の発生有無などもありますが、比較的費用が高いです。
ここが他とは違っている最大のポイントは「GCDF-Japan資格」が一緒に取れることです。GCDFはアメリカのCCEというところがやっているキャリアコンサルタントの資格で、世界で通用するそうです。
キャリアコンサルティング自体がアメリカ発祥のものなので、本場に近いものが学べるのかな?と思いました。
将来的に世界を股にかけてキャリアコンサルティングに取り組みたい方はここ一択なんじゃないでしょうか。
⑥一般社団法人日本産業カウンセラー協会キャリアコンサルタント養成講習
(一般社団法人日本産業カウンセラー協会 )
324,000円
年間に4回開講しています。そこそこ多いほうですので、思い立ったときに受講しやすいです。
ここの最大の特徴は伝統ある「産業カウンセラー」の資格をやっているところが実施しているという点です。メンタルヘルスなどに力を入れている産業カウンセラー関連の団体ということで、そういったところを反映させてくれるのではないでしょうか。
将来的に産業カウンセラーも目指したい人は、割引などのこともかんがえると一貫して受けたほうが良いかもしれません。
⑧⑨キャリアコンサルタント養成講座 / ライブ通信講座
(株式会社リカレント)
通学:490,320円 通信:393,120円
ぶっちぎりで高いです。
ここの特徴は2つ。まず、ほかのところは全て通信と通学を併用して講習の規定時間(140時間)を満たしているんですが、ここだけは「全て通学」の講習があります。
他のところも含めいろいろとみていると、通信といっても本を読みながらレポートを仕上げたり、動画講義を見てwebテストを受けたりと、いろいろな形式があります。
そういった形式に不安を感じる人は全時間通学制は魅力的なんじゃないでしょうか。
私はというと、「140時間も通うのめんどくさい」とおもってしまいました。
独学でいろいろ目指していることからもわかるかと思いますが、一応自学自習できる習慣はついていますので。。。
もう一つの特徴ですが、「合格保証制度」があります。本試験に不合格になった場合、出席率などの条件をクリアしていれば、翌期の授業を「一部」受けることができます。
「一部」というところなんですが、パンフレットを読む限りだと、通学講座などは受けることができないと思うので、おそらく通信部分がもう一度見られるという程度のものだと思います。それでも不安な方には魅力的でしょう。
また、大きな特徴というほどのものではないんですが、パンフレットを見る限りでは、通信部分の講義動画が非常に丁寧そうに感じました。「この本読んでレポートかいといて!」といった投げやりな通信講座ではなく、本当にためになりそうな印象を受けました。
⑩キャリアコンサルタント養成講座(総合)
(株式会社日本マンパワー)
324,000 円
こちらの特徴は、国家資格になる前にキャリアコンサルタントの資格として認知度の高かったCDAの資格を一緒に取れることです。
今となっては国家資格があるので、どうでもいい資格に感じるかもしれませんが、CDAは仲間意識が強いようで、人脈を大事にするこの業界では役に立つかもしれません。
日本マンパワーの講座を修了するとCDA登録もできますが、他の養成講座を修了していても、あとから講座をいくつか受講するとCDA資格はとれるようです。
国家資格の更新講習を兼ねているものもありますので、そちらをうけてついでにCDAも取得してもいいかもしれません。
CDAの資格があると、JCDAがやっている更新講習や研修を安価に受けることができます。ものによっては無料で受けられます。(CDAの登録料などは必要ですが、すぐに元を取れるレベルです)
⑬公益財団法人関西カウンセリングセンターキャリアコンサルタント養成講習
(公益財団法人関西カウンセリングセンター)
324,000円
ここは特別講師が豪華です。特別講師なので、毎回の授業をするわけではないですが、キャリアコンサルティングの第一人者である、木村周先生や、宮城まり子先生の特別講義があります。これだけでも受けに行きたいです。
会場が淀屋橋とも大江橋とも北新地ともつかない微妙なところなのがいまいちです。
キャリアコンサルタントの知人の話だと、養成講座はわからないけれど、関西家運セイリングセンターのやっている研修はいろいろおもしろくてよく参加しているとのことでした。
⑭公益財団法人関西生産性本部キャリアコンサルタント養成講座
(公益財団法人関西生産性本部)
324,000 円
年間1回程度しか開講していなくて、私の受講検討タイミングと合わなかったため、あまりわかりません。すいません。
ただ、個人的に魅力的だなと思ったのは、ここは講師がほぼ毎回違います。
担任制をしているところが多い中、いろいろな方の話を聞けるのは私はいいところだと思います。(担任制の方が安心できて一貫性もあっていいと思う方も多いと思いますが・・・)
⑯LEC東京リーガルマインドキャリアコンサルタント養成講座
(株式会社東京リーガルマインド)
297,000 円
ここも講師が複数で担当しているようです。
完全に偏見で申し訳ないんですが、LECというとどうも「資格の学校」というイメージになってしまうんです。資格を取りに行くのにはいいところかもしれないですが、ただ座学で知識を叩き込むタイプではないキャリアコンサルタントの受験となると、ちょっと抵抗感が出てしまってあんまり検討すらしていません・・・
私は独学派なので、関係ありませんが、資格を取得するのに講座を受けたいタイプの方は、LECだと他にいろいろな試験対策講座がありますので、今後の割引を考えるとお得かもしれません。
⑰キャリアコンサルタント養成講座
(ヒューマンアカデミー株式会社)
291,600 円
総合人材サービスのヒューマンリソシアと同一グループの会社なので、人材関係の実務には強そうです。はっきりってあまり特徴がなかったので、それくらいしか書くことがない・・・
どうやって選ぶ?
さて、大阪で受けることのできる各講座の特徴をパンフなどからみて、あくまで個人的な感想としてまとめてみました。
みなさんどう思われましたか?
私は以下の点をポイントにして選んでみました。
①費用
前回紹介したように、教育訓練給付金を使う予定です。また、限りなく自己負担を減らせるように工夫する予定なので、あまり強くは気にしませんでした。おおむねどこも30万円程度ですし。リカレントだけはちょっと振り切って高かったですね。
②日程
ネット上では細かい日程を載せていないところが多いですが、資料請求か電話で聞くとどこも細かい日程を教えてくれました。私は仕事は基本的に土日休みなんですが、たまに休日出勤があります。なので、日程を全部並べた時点でさらに受けられる講座が減ってしまいました。大阪では平日夜間に開講しているところは私が調べた時点ではありませんでした。東京ではあるのに。。。
また、夜間開講していたとしても、一回当たりの時間が短くなるので通う回数が増えるのは嫌ですね。
日程については、振替受講の可否もよく確認したほうがいいです。
今回は記載しませんでしたが、休む時に振替できるかどうかは講座ごとに違います。
振替できるところでも、実習の日は不可、当日連絡は不可、回数制限あり、有料、など条件があるところもあります。
お子さんがいらっしゃる方など、急な欠席が発生しやすい方は特に注意して選ぶ必要があります。出席率が足りないと修了要件を満たせなくなって、受験資格も取れないしハローワークからお金ももらえないしといった最悪なパターンにもなりかねないので。
大手だといろんな日程でいろんな場所でやっているので、振替しやすいのはいいですね。神戸や京都くらいなら1回振替で行くくらいなら気にならないですし。
また、毎週かどうかといったところも気になるところです。
毎週土日、土日、土日・・・と続けてさっと終わる講座もあれば、2週に1回の日曜日開講で長期間する講座もあります。
平日に休めるならいいですが、毎週土日両方つぶれるのは体力的にもきついと思うので、そこも自分のライフスタイルと合わせて考えてみてください。
③通学回数
日程に通ずるところもあるんですが、講座によって通学回数や、一回当たりの時間はまちまちです。通学10回ですむところもあれば、14回必要なところもあります。
自宅と会場の経路や交通費などや、一回当たりの拘束時間なども考えて総合的に判断する必要があります。
(本音:何回もいくのめんどくさい)
④通信講座の質
講座の特徴でも少し書きましたが、通信講座については様々な形態があります。本を読んでレポートを書いたり、動画講義を見たりです。
私は、動画講義の方がいいなと思ったので、パンフレットなどではっきりわからなかったところはわざわざ電話して聞きました。一応高いお金を払って受けるので、自分の好きなタイプの通信講座がいいなと思ったので。
講座によっては再生環境確認も兼ねてサンプル動画を公開しているところもあります。
⑤教科書
これは通うまではわからないところも多いんですが、私は電話で少しきいてみたりもしました。
大手はオリジナルテキストです。それ以外では市販の木村先生の本をそのままテキストにしているところなどもあるようです。木村先生の本はキャリアコンサルタントを目指す以上どっちにしろ読むことになるので、オリジナルテキストの方がいろいろな視点で学べていいかなーと思いました。
電話で聞いても詳しいことは当然わからないので、教科書のわかりやすさや冊数などはネットで先輩方の感想を探してみました。
ちなみに木村先生の本はこちらです。読みましょう。
⑥講師
これは逆に大手以外が丁寧に紹介されていることが多かったです。まあ名前がわかったところで、いい先生かはあまりわからないんですが。。。いい研究者や実務家が、いい指導者とは限らないですしね。
ちなみに私が今通っているところの先生はすごくいい先生です。友達には絶対なれないタイプですが、指導者としては最高です。名前は事前にわかっていたので、その人のFacebookを見た程度で、講師で講座は選ぶことはしませんでした。
⑦実技指導について
だいたいどこの講座も定員は15人~30人くらいかと思います。学科講習は何人でも構わないんですが、実技指導は少ないほうがいいに決まってます。
ただ、そこで30人の講座より15人の講座の方が優れているかというと一概にそうとは言えません。
というのも実技指導の時は指導者が増員される講座がいくつかあるからです。
極端な例ですが、
指導者1人:受講生15人
よりも
指導者6人:受講生30人(→指導者1人:受講生5人)
の方がきめ細かな指導ができます。
これも問い合わせをするとだいたい教えてくれます。(ギリギリに聞かない限り受講生の数が確定していないのではっきりしたことはおしえてくれませんが。)
⑧協議会系か協会系か
これは事前には一切考えていませんでした。講座がはじまってから、考えてもよかったかなと思った項目です。
キャリアコンサルタント試験自体が2団体で運営されています。
キャリアコンサルタント協議会(CCC)と日本キャリア開発協会(JCDA)です。
学科試験は2団体共通問題で同一日程で実施されますが、実技試験はそれぞれが別日で実施します。
詳しいことは今回は割愛しますが、実技試験の特徴がそれぞれ違って、合格率も差があるんです。
ネットで検索するといろいろな情報があるので、どちらが自分に向いている実技試験を行っているのかなども考えてみてもいいかもしれません。
そして、養成講座はそれぞれどちらかを対象にして講座を行っています。
「うちの講座は協議会での受験を見据えた指導を行っています」といった感じです。
表立って対象をネットには書いていないのですが、実技試験の日程としてどちらをメインに紹介しているかでなんとなくわかると思います。あと、たぶん電話して聞けば教えてくれます。
どちらがいいというわけではないですが、協議会対策をしている人が協会で受験すると苦戦するようです。(あくまでネット上での情報から判断した私の感想です。)
そのあたりも踏まえて選んでもいいかもしれません。
おわりに
さて、長々といろいろと書きましたが、みなさんどこで受講するかの参考にはなりましたでしょうか。国家資格に移行したことにより既得権益のしがらみで2団体が微妙に違う試験をしていたり、養成講座も特徴の違うものがたくさんあったりとややこしい資格です。少しでもみなさんの講座選びの参考になればと思います。
もし、もう少し聞いてみたいことなどあれば、このブログのお問い合わせやtwitterのDMで聞いてください。あくまで一受講生としての意見でよければお答えします。キャリアコンサルタント試験合格者ではないことはしっかりご理解の上でお問い合わせください。自分の通っている講座についてはいろいろと公開できないので、コメント欄での質問にはお答えしません。(無視はしませんが・・・)ご了承ください。
それでは明日はまた、養成講座に行ってきます。あ、大したことじゃないですが、日曜に受講すると3連休のたびに、中日がつぶれて残念な気持ちになるのでおすすめしません(笑)